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違法伐採の現実とトレーサビリティ証明書

  August 2018

 
 

過去の苦い経験

 
まだ自分で原木購入する以前の話。材料は輸入材を材料屋から仕入れていました。ある時、なかなか思うように入手できないことが続きました。材料屋によれば商社にも品薄でなかなか入って来ないとのこと。皆が取り合いになることは良くあるので、そんなことだろうと思っていました。しばらく経って問い合わせてみると、もうその材料は以前のルートでは入らないが、別のルートで入手できるようになっているとのこと。事情を聞いて驚きました。以前使っていたものは、違法伐採されたものだったのです。どこの国か詳細は聞けませんでしたが、その国が取り締まりを強化したところ供給がストップしたとのこと。知らないうちに、そんな材料を使っていた事実に驚きました。それがきっかけとなり、地元の木材を意識するようになりました。
 
 

諸外国の違法伐採

 
各国はどのように対応しているのか知るために検索してみると、2016年「諸外国の違法伐採対策の現状と課題」という資料を見つけました。フェアウッド・パートナーズがセミナー資料として製作したものです。お時間のある方は、ぜひご一読ください。各国ともにこの10年ほどでようやく法整備が整ってきた様子。その中に、以下のデーターがあります。
 
違法木材リスク | Journal
 
 
 
 
5年前(2013年)のデータで、日本の輸入木材セクター製品全体の12パーセントが違法リスクが高い木材と推定されています。間違いなく身近に違法伐採された木材で作られた製品があることになります。木を切り倒すだけでお金になるので、誰もが比較的容易に行なってしまうのが一因です。まあ、外国だから仕方ないかなと思っていてはいけません。
 
 

日本の違法伐採の現状

 
日本で違法伐採なんてないと思っていましたが、実はそんなことありませんでした。産経ニュース2017年12月「森林の違法伐採相次ぐ スギ生産1位の宮崎、対策急務」で紹介されています。原木を買い始めた頃は、寝かせる時間もあるのですぐに使えません。そこで輸入材ではなく、せめて国産材を使おうと道産と呼ばれる北海道産のナラ材を入手していました。でも、色々聞こえてくるのです。実はロシアや中国のナラが混じっているのだと。つい先月も東京で北海道材を使っている方と話している時に、そんな話をしたら黙って苦笑いしていました。どうも未だに怪しいようです。
 
 

複雑な流通経路がもたらすもの

 
大量の木材を扱えば扱うほど、その管理は大変になります。一つの樹種で、厚みが4,5種類もあるので、それを産地ごとに管理するなどまず無理です。しかも、伐採された後に様々な業者が入る複雑な流通経路が、出処を調べることさえできない状況を作り上げているのです。
 
 

トレーサビリティ証明書の発行

 
この現実を知った時、木材の入手において他人をなるべく入れてはいけないことを学びました。そのため、木材市場や森林組合など、伐採業者が明確な木材だけを扱う業者から直接自身で原木を購入する現在のスタイルに辿り着いたのです。完全なトレーサビリティをうたうため、リスクを丸ごと抱えることになりましたが、その反面、他ではなかなか真似のできない完全なトレーサビリティを実現できています。今後、HLFの家具には、材料の素性や製作体制図を明記したトレーサビリティ証明書を発行します。違法伐採木材を決して使わないための、そして飛騨高山の森林事業の活性化にも貢献するための新たな試みです。